君は、どうしてここに来たんだ。
[それは、何故この庭園にいるのか、という意味ではありません。
何故この終のお宿に来ているのか――何故死んでしまったのか、という意味の問いかけです。]
私だけでなく君まで、
理音を、兼平理音を、悲しませるのか。
[自分が枯死した後の記憶はありませんでしたから、これは白薔薇なりの想像です。
けれども白薔薇の死を人の死のように悲しんでいた――そして旅行の計画で忙しなく日々を過ごしながら、少しずつ心の整理をつけて落ち着きと明るさを取り戻していった理音の姿であれば、「先輩」は見ていますよね。>>0:280>>0:281
白薔薇は声を荒らげるでも咎める風でもなく、あくまで静かに、穏やかに、「皇先輩」に問いかけます。*]