── 資料館からパレード、そして ──
そうですね、夜明けが近づいてるという事でもあるのであまり悠長には出来ないかもしれないですけど。
折角ですし、パレードも見ないと損ですね。
[促される言葉に頷いて、パレードを見る為に資料館を後にしようとして。
>>10 ローズさんの目線が僕の手に握られた缶コーヒーに注がれている事に気が付いて、苦笑を漏らす。]
これは缶飲料と言いまして、中身はただのコーヒーです。
未来になるとより密閉性の高い容器が作れるようになりまして……。
[と僕が知る範囲の缶の説明をしながら、開け口に指を掛けて開く。
密閉された空気が鋭い音と共に放出されて、コーヒーの香ばしい匂いが控えめに零れただろう。
ローズさんがチャレンジするようならと缶を一本差し出してみて、開けなさそうなら代わりに開いてあげよう。
先ほどまでお互い真剣な話をしていたとは思えないくらいに、のほほんとした空気だ。]