[ どういたしまして、という彼女の返事は
明らかにこういう場に慣れていない事が伝わってきて。
自分だってそう慣れていないくせに、
彼女の言動があまりにもわかりやすいものだから
そんな所にもまた可愛いなと思って小さく笑った。>>46
勢い任せに取られた手を、
そのまま逃さないようにぎゅっと握る。
普段あまり触れることのないその手は、
自分の手よりもずっと小さくて柔らかくて細くて…暖かかい。 ]
君がなかなか私を見てくれないからだろ?
[ 見過ぎだなんて言われれば、普段の私であればきっと
慌てて気まずそうに目を逸らす所なのに。
今日ばかりは目を離したくなくて、
ただ私を睨む彼女と視線を合わせた。 ]