― それから・満月までの日 ―
……ランディ。
あたしね… こっちに残ろうかなって。思う。
[そうして。
あたしがようやくランディに告げたのは
詩ちゃんとの買い物の日からまた何日かしてから。
ランディはあたしに選択を委ねてくれたから
結構ギリギリまで迷ったけれど。
もしかしたら、二人で現実世界に渡ったとして、
ランディならあたしの思いもよらない方法で
何とかしてくれるのかもしれない。
向こうに残してきた家族や友達。
もう二度と会えないのが寂しくないと言えば嘘になる。
でも、こっちの世界には詩ちゃんもいるし、
(この時までに聞けたかは分からないけれど)他の皆も残る。
あたしは友達全てを失うわけじゃないから。]