『そんな中、私は敵のヒトモドキを発見しました。人型の生体ヒトモドキでした。
ウキクサと類似する特徴を有しており、人型の中でも少女型であったと記憶しています。
その少女型ヒトモドキは破損は酷いものの、まだ活動状態であり、修復を行えば充分に再稼働可能と思われました。
私は少女型ヒトモドキを体内に収容し、破損部分から流出したリソースを補うために私に積載されていたリソースの一部を譲渡しました。
譲渡したリソースによって少女型ヒトモドキの破損部分を一時的に修復し、活動状態が安定したことを確認して、私は敵の基地付近で少女型ヒトモドキを開放しました。
これが、私がこの施設に来るに至った経緯の概要です。
事件の発覚については、少女を敵の基地付近へと輸送する際に体内に収容していた稼働不可能と判断したヒトモドキが実際は稼働状態にあり、後に修復され、告発したものと考えていますが、実際のところは分かりません。』
[と、ここに来るまでの一連の流れを説明し]
『敵のヒトモドキではありますが、私はようやくヒトモドキの回収、その個体の存続に尽力できたのだと、ようやく、何か達成されたような気がしたのです。』
[最後にそう自身の感情をつけ加えた。]*