[自分の出番がない時に見た、熱血刑事役の行平の演技。
他にも彼の演技や作品、本人に接する機会があった。
生真面目そうで、役作りに熱心な様子。
演技に触れるたび、彼の話を耳にする度心で感嘆した。
丹田は常々こう思っていた。
芝居を追求する姿に年齢も芸歴も関係ない、
思わず敬意を表したくなるような人物かどうかだと。
それで言えば行平への評価は脱帽もの。
芝居への敬意が感じられない相手や、ちやほやされるのが当たり前だと考え自らの実力を磨かない役者や時の人として知名度だけで登用されるケースを憂う丹田にとって。
彼は後輩どころか“尊敬すべき先輩”という認識なのだ。]