[そうだな、任務の方は多分問題ないだろう。願わくば、俺のほうが少し不調気味であることには気づかれたくないものだが。ましてその原因についてをや。
当然、詩音が俺に対して内心少しばかりイラついていそうだとは察しても、その本当の原因にも気づくわけはない。
人の婚約者なんかに目移りするもんかよ。むしろ、そうならもう少し調子も良かっただろう]
車って…詩音の送り迎えにきてるあれか?
おいおい…この先の山奥にあんなもん乗り付けられるかよ。
頼むぜ、ホント。
[最初に出かけたときの事を思い出しながらため息をつくが…こういうところから喧嘩になったりしてもつまらない。憎まれ口は慎んでおこう。
…なお、うちもそれなりの家ではあるが、俺は爺に色々教わったり悪い友人もいたりで、詩音よりは世慣れしているはずだ。…多分。]