[けらけらと、可笑しそうにわらう。
その声に応えるように、グリムが吠える。
[ひとしきり笑ったら、あとは帰るだけ。
起き上がって、汚れた外套を脱いで、フットマンを担ぐ。]
どっちの家に帰るの?きみの家?アリアのところ?
[どちらでも、望む方に。答えがなければアリアに連れて行こう。
その方が面白そうだ。
ヌルは小柄だが、力はある。
多い時は何人もの、形の残っている人間を運ぶことだってある。
フットマンほど体格のいい大人は滅多にいないが。
ヌルの体格では足を引きずるが、そこは我慢してもらおう。]
これもってて。
[問答無用で外套をフットマンに縛り付ける。]