うん、私も、そう思うわ。
[遺体をまるごと葬儀社に「商品」として差し出してもなお葬儀代を賄えない故に、リリオから弔いを断られる死者。
依頼主もいない程に、誰からも見捨てられた死者。
……そもそも誰の目にも触れられず、
ただ朽ちるを待つところだった死体。
葬儀社では扱わない死体を迎えに行くという「葬儀屋」>>44の噂を思考回路に過らせながら、女は少しだけフードを挙げ、笑顔の形に作った顔を子供に向けていた。
もしも仮に、その噂の中の「気持ち悪い」行い>>43が本当だったとしても――。
事実として死体を集め、人体実験用の「パーツ」をも売り捌くリリオ・カサ・ブランカの女に、それを咎めることはできない。*]