なんだ、召集されている間に聞かされていなかったのか?
[思わず飛んできたのであろう声に視線だけを向ける。
確かにと頷いてしまうような見事なつっこみではあったが
こちら側にもきちんと情報が伝わっていない所を見ると
上はどうやら多少なりとも混乱を来しているらしい。
ぽつと落とした言葉は、半ば独り言のようなトーンだ。
もう一度戻って聞きに行く事もできるが、それは面倒だといわんがばかりに
その場から動くこともせず──何ならこちら側の非を詫びることもせず。
薄桃色の頭をした異邦人を横目に一瞥すると、
他の者たちに動きがないかと、ただ反応を見ている。
黙って待っていれば最後に残った者が“そう”だろう、と。]