────ごきげんよう 今日も神さまの祝福がありますように。[夢渡りに共通していることがひとつ、ある。 ──年老いた者はいないということだ。 能力が年齢を理由に失われるわけではない。 多くの者の懐疑や不信を受け止め、 去る背中を見送る夢渡りもまた、同じ穴に落ちるから。 子供の手を引く若い女性へ挨拶を交わし、 漫然と夢渡りは思考を回す。 考えても無駄な、詮無きことを。 ……やがて頭を振り、一歩、踏み出した。]