─ ギルド・大部屋 ─
おい、さっきの。
[大部屋に戻らされた後は、流石に逃がすような迂闊な真似はしなかっただろう。
手荷物だったやつの前に進んで、軽く屈む]
お前さんは被害者だ。我儘をいっても甘ったれたことをいっても刺繍で口を縫い付けろなんて言われることはねーが、こっちにも叶えられないこともある。
ひとまずさっきのおっさんといるか、俺といるか。どっちがいい?
[多少なりとも自分で選択した結果だと思えば納得もしやすいだろうし、嫌がるやつを世話して見切れるとも思えない点でも相手次第。
それにしてもひでぇ二択だとは内心思うがきぐるみ頭では顔色はうかがえまい。
内心ではそんなことを思いながら淡々と問いかけるのであった**]