[暴れ疲れたか、諦めたか。
随分とおとなしくなったヴァルハラ兵の顔を見て、処置が終わった男はふっと鼻で笑った。
忙しなく動いていた目も、本来の正常位置に戻っている。]
ああ。この先は頼む。
此処から2時の方角に10km進んだところに、岩の窪みが見える。
[そうとだけ言って、早くいけと手で払うような仕草をする。彼女が兵を連れて動き始めれば、男も踵を返して臭いテントの方へと戻っていった。]
[その後、シードルが男の後ろをついて回り、様々なことで質問攻めにしたときには。
男は彼女のする質問一つ一つに答えただろうし、時にはホログラムを引っ張り出してきて、実際に見せたりもしただろう。必要な技術は、教えなければ広まらないのだから。*]