[──とはいえ、今のところソレを知る術はなく。
きゅ、きゅ、と瞳孔が不自然に収縮と拡大を繰り返してピントを合わせる。
射撃を警戒する姿勢に入った>>43のか、再び何かが顔を出す様子は見受けられず、ならばと、人工知能と無駄なお喋りをしながら、構えていた銃口を上げた。
この距離からの射撃は、殺すことよりも牽制することに重きを置いている。
自分たちは何処からでも見ているぞ、と、知らしめる為の位置だ。
無論、自軍を含めて“よく視える”というのもあったけれど。
ころり、と放った耳当てが荷物の上から転がり落ちていった。>>25]