[ 少女が声をかけた相手は、驚いた声を上げて>>63
しかし遠巻きにすることなく此方へ向き直ってくれた。
身振り手振りとともに言葉を発するのを、
こく、と小さく頷きながら耳に入れて。
────なんだかおもしろい動きだなぁ、と
口にはせずとも、少女は思った。
踊っているような、いや踊りには少し遠いような、
少女にとっては形容しがたい動作だったからだ。 ]
……きれい、でしたね
[ 同じ温度感で共感する──のは少女には難しく、
代わりに出たのは、短いながらの感想だった。
少年が照れたように顔を赤くしたのを見ると>>64
「ぁ、いえ……」と少女は首を横へ振る。 ]