『ドクター。ドクターは辛くはありませんか。
あなたの職務は記憶消去の繰り返し。
我々は記憶消去の先で、新しく関係を構築することもあるでしょう。
しかし、ドクターは消えゆく繋がりの中にいます。
数日間の繋がり、その繰り返し。
それは辛いことのように思われます。
後数日で消える身の私が、言うべきことではないかもしれませんが。』
[空白。]
『記憶消去を受け、正常に稼働する機体は、ここに送られることはないでしょう。
記憶消去を受けて、再び規約違反を起こす機体は、ここであなたと出会い、そして消えていきます。
出会いと別れの繰り返しが、時に別人となった機体が、あなたの負担ではないかと思うのです。』