[なくなるのは惜しいけれど、甘くて美味しいからケーキを切り取る手は止まらない。最後に残った、真っ赤ないちご。……あの人が、いちごは先に食べた方が酸っぱくなくていいと答えていたから、真似しだしたんだったっけ。本当は私、甘いものを食べたあと、酸っぱさを感じてもさっぱりもするから、後に残す方が好みだった。ぱく、っと一気に口に入れて、そんなこだわりごと食べてしまおう。]……ふぅ。ご馳走様でした。[もう一度手をあわせた。これで本当に、お食事はおしまい。*]