[最後にはその小難しい思考遊びにうぅーんと唸りながらも、 結論はブレずに一つ。 『つまり、アタイにとってはスイッセスさんはスイッセスさんなンだよ。 何者にも代えがたいただ一人なんだよ。 この船を降りて記憶が消えるなら。 アタイがスイッセスさんの思い出を持って生きていくサ。 そーすりゃ、少しでもスイッセスさんが生きた証がこの世界に残ってく。 だから、思い出はサ。簡単にゃ消えないよ』 だからここで終わりではないのだと、 寂しさが少しでも和らぐのならと、 アタイはそう熱く語ったのを覚えている]