[周囲に散らばった薬莢を足の爪先で払い退けるのと、声をかけられた>>54のは、ほとんど同時だったように思う。
そちらに顔を向けると、見た顔がそこにあった。
手伝うことはあるか、と言わんばかりの視線に小さく肩を竦める。]
おう、アロール。
此処は狙撃ポイントだからな。
おれたち狙撃兵の荷物しかないぜ。
[そう言って、周囲に視線をやる。
少し離れたところで、撤退準備をする者に混ざってろくに寝ていなかったのか、その場で倒れるように寝ている者がチラホラ見受けられた。
それを見つけた男は、あきれたようにため息を吐いてから、近くのコンテナケースに視線を動かした。]