[貿易都市として発展し「世界の結び目」「無いものは氷河だけ」とも評されるここタラッシリア。目玉の施設は色々あるけれど、需要の高さで言えば一に飯屋、次に宿屋だ。そしてその宿屋で需要の高い人材といえば。そう、まさに今主人に呼ばれたこの女。奴隷である。ベットメイキングに掃除に洗濯。朝から晩まで働き三昧。だが感謝しなければならない。攫われ辿り着いた異国の地で衣食住を施され、生きながらえていることに。異国の神を祀る祭りなど、掃除人には繁忙期以外の何物ではないとしても。]