――城下町――
[ピギーの隣、手がぶつからないより少し離れた距離を歩く。
あまりに遠いと世話役として困るだろう。
ピギーの身体能力を垣間見て、ともに外出した隙を狙って逃げ出そうなどとは考えられなかった。
あと責任問題として大事にするのは避けたい。
というわけで、平和に道を歩むのみ。
地図を取り出そうかとも過ったが、どうせピギーには不要なのだ、ここは詳しい者を頼る方が良い。]
へぇ……。
[説明を耳にしながら、緩くあたりを見渡す。
向こうの世界の技術力の中で生きてきたが、それでも王都というだけあって道の広さや舗装、街灯などの明かり、見やすいように設置された案内板などが洗練されている。
きちんとお金をかけて整えましたという感じだ。
それに伴ってちゃんと活気もある。
行き交う人々は職場に向かうのか足早だったり、知り合いと出会って立ち話していたり、露天を覗く客が装飾品を手に当ててみていたり、それぞれの生活の色が豊かにあった。
職人街と教えられた方に名前の分からない道具を背負った男性が駆けていくのを横目に、良い匂いのする、賑やかな食事処を窓越しに眺めていたら服を掴まれてしまう。]