私は、お嬢様と一緒に散歩がしたかった。 人目を憚って車で隠れて出掛けるのではなく。 私は裕福な食事はなくても幸せだった。 お嬢様も、質素な食事でも美味しいと笑ってくださった。 ただ、かけ合わせるボタンの位置が ズレてしまっていただけなんです。 それでも、お嬢様は喜んでくださった…… 私と、一緒に居られる時間を。 最終的に私は此処に堕ちましたが、 意味のない時間だったとは、想いたくないのです。 だって、お嬢様は飛び切りの笑顔で、 私のことを呼んでくれたから。