………………あ゛??
あー。あーあー。マイクテスト。マイクテスト。
♪ー。♪ー。♫♫♫♫♬♬♬♬♬♬♬♬。
[その場に低く放たれるのは、(おそらく)誰の耳にも明らかに機械のものと判る合成音声。もちろん、人間・ヘロンの生来の声音とは異なるものだ。
その声のトーンが性別のイメージをはっきりさせないものであることは、生来の声色と変わらなかったが……]
おい、まさか……
[ヘロンは己の眼前に両手を掲げ、その状態を確認した。
あのチケットを手にしているエンジニアのグローブは何故か3本指になっており、グローブ越しに確かめる手指の感触も確かに3本。
そしてグローブに覆われきれていないその腕は、元の腕より細く、硬質の白銀色に電飾の鮮やかな光を反射している。]
はは。成程なあ、