[ そして今。
祝祭を前に彩られた広場で話す彼女は、
あの時よりもほんの少しばかり大人びていて。
あの時から変わらないこと、変わったことが色々とある中、
ずっと自分の菓子を楽しみにしてくれている彼女に返すのは
今年の出店が無くなった知らせだった。>>63 ]
いやぁ…私も今年の春に向けて、
綺麗な自信作の菓子が出来たから
食べてもらいたいのは山々なんだがな。
[ 待ってくれていた人を前にこんな事を言うのは、
悪いことではないと知りつつも
なんとなく申し訳ない気持ちになってしまう。
祭りが無くとも新作はいつも彼女の店に届けに行ってたから、
数日もすれば渡せただろうが…
やはり祭りの中で食べる菓子というのは別であろう。 ]