[この男、真新しいものに目がないながら、機械の扱いに関してはポンコツと言って良かった。
それは妖魔の例にもれない生来の性質といっても過言ではない。
妖魔の命は長い。
男が山主として付近を収めている間に、ゲッカでは交易を通して機械が取り入れられ、人里では夜も明るさを保つようになった。
術を使わずとも使える灯りに、感動したものだ。
そうして男は時折、そうしたものを峰に取り寄せて遊ぶようになった。
新しいものに興味を示すのは良いが、その後始末をさせられるのは彼の弟子である。
人と妖魔の混血である末の弟子は比較的メカ音痴の度合いは少なく、今日も駆り出されていた。]