[挟まる空白の思考時間は、決して居心地悪い物では無い。
何処か気遣いを感じるそれを、黙って聞いている。>>69
自分と話す時間が欲しかった事。
昨夜と、今夜の、記憶消去の事。
そして次の言葉。>>70]
――私の、事?
[目を丸くする。
少し、いやだいぶ驚いた。
てっきりアンジェ自身の話をする物だと思っていたから。
故に反応は少し遅れて、抱く思考も遅れてやって来る。
踏み込まれすぎた等とは感じなかった。何故なら、これは殆どむき出しの感情だったから。
私が唯一忘れてしまった事は、
がんじがらめになった感情を開放する事。]