朝方・表通り
[鬼さんこちら、血の続く方へ。
フットマンは時折、近くの壁で長くなった葉巻の灰を折りながら歩いていた。
血溜まりから出る時に、服は絞ったのに靴底は気にしなかったお馬鹿さん。
進行方向に血の足跡
>>75をつけて歩いていた。
徐々に薄くなる足跡の先を、フットマンはきっと暢気に歩いていたはずだ。
ふぅ、と紫煙を吐き出して、不意に男は足を止めた。]
んん…お客さんかな?
[彼女の走る足音がどれほど鳴ったか。
彼女が影から様子を伺うようなことをしたかわからないけれど。
フットマンは生物としての自身の“直感”というものを信じた。
信じて足を止めた。どこから来るかわからずに、振り返ることはしなかったけれど。]
[直感?ならやっぱり、生身の人間なのかしら?それは──さあ。*]