[こうして幾日か(!)の航行の後に船を下り、いつか訪れた劇場への道を駆けていき――。
裏口の扉から駆け込んだ「ルキウス一座のシェルタン」を待ち受けていたのは、極めて不服そうな面持ちの座長ルキウスだった。]
……すみません、座長。
ずっとご迷惑も、ご心配も、お掛けして…――!?
[「何故私に先に一言寄越さなかった」と、“ 赤獅子 ”宛てに手紙を送った件>>-97>>-98>>-99について真顔でぴしゃりと言われた。
座長宛ての座標に届けるための連絡ルートと郵送用目印だってきちん設定していただろう>>1:31、と。
こうして、安否不明だった役者との数年ぶりの再会の場で、わりと辛辣な小言が暫く続けられる。
「そんなに一座の口の堅さを信用できなかったのか」「そんなに郵便事故を恐れていたのか」「実は“ 赤獅子 ”のファンだったのか」「ちゃんと演技の稽古していたのか」「左のデコどうしたんだ」「お前が部屋に残していたファンレター後で取りに来い」「アタシの記事見てくれたー?」等々――]