[ハリコに話したのは、自分の名前、家族のこと、一番下の妹がHarrikoに憧れて服飾系の仕事を目指していること。本国で警察官をしていたことも、話したかもしれない。]……昔から、冤罪事件は後を断たない。何もできないことが心苦しいよ。[とある自由時間、彼女の隣りに並び、ぽつりとこぼす。他の看守が自分に近寄ることは殆どないので、この会話が聞かれることはない。彼女が自分に何かを話したわけではない。ただの、世間話のひとつ。そのつもり。]