[――劇場でシェルタンを待っていたのは、“ 赤獅子 ”に話を通して貰ったルキウスだけではなかった。
情報誌に取材されていた脚本家のミルファや、一座の他の面々も、そこには揃っていたのだ。
「どうして?」という問いが口を吐きかけるも、シェルタンとしてこの場にいる生命体は、すぐに理解した。]
……ありがとうございます、座長。
あなたに「劇場で待つように」としか、
あの人には言伝を頼んでいなかったんですが。
僕の考えていることなんてお見通し、ですね。
[「演るのであれば一人芝居にはさせない」と座長は言い切る。
そして「ルキウス一座の特別二夜公演」の広報も行ってきた、と。
ただし、その演目のとある主要人物のキャストだけは、舞台の幕が開くまでシークレットにするとも。]