>>75ウロボロス
[にこりと笑いながら声を掛けてきた警備の男を見て、思わず面倒くさそうな冷ややかな目を向けそうになる。
が、その爽やかそうな顔の細めた目の中に、ぎらりと魔力の煌めきが輝いたように感じて、斜めを向きかけた身体をぴたと止めて、一瞬の間の後、にこりと笑顔を返した]
……あら、あなたはこの街の兵士、なのかしら?
そうね、どこに行こうか、私の代わりに考えてくれる人を探していたのよ。親切な人ね、あなた。
どこに行くのが楽しいのかしら……迷っちゃうわ。
あなたの胃袋の中でなければ、嬉しいんだけれど。
[ふわふわと浮ついた話をしながら、にやにやと笑って見せた。――私もあなたのお仲間よ。……そう、目で語り掛けるように。]