[――Harrikoの『夢の世界』は、見た目も心も他の誰かと
まるで違う「あなた」を受け入れる、というのに。
だがこの切羽詰まった一大事の現場では、そうした細々としたことはぶっ飛んでいて……。
この場でレイルから紹介があった>>59というだけで、ハリコの頭はすぐさまにこの“異形”の囚人――ガァドを受け入れていた。]
ええ、あたしがハリコ。“Harriko”のハリコよ。
よろしくね、ガァド。
[慌ただしさの所為で笑顔は上手く作れなかったが、口角をにっと上げることくらいは叶った。
ともあれ、ここからはガァドとも共に道を往くことになる。]