ペンを置いて、もう一度、私に充てられた手紙を眺める。 言葉というのは、たかが文字の羅列というものは 信じられぬほどに、人の想いを乗せるものなのだな、と そんな心持は、自然、私の表情を柔らかくさせていたと思う。「よかった。」 彼が決めたこと。気付いたこと。 それに私の言葉が多少なりとも寄与できたこと。 自然と"よかったこと"だと思えたから、無意識に言葉が出ていた。