星狩りの国-暁の街-

26 ― 境界の先への手紙 ―


"トラッシュ" イオニス


 ペンを置いて、もう一度、私に充てられた手紙を眺める。
 言葉というのは、たかが文字の羅列というものは
 信じられぬほどに、人の想いを乗せるものなのだな、と
 そんな心持は、自然、私の表情を柔らかくさせていたと思う。


「よかった。」


 彼が決めたこと。気付いたこと。
 それに私の言葉が多少なりとも寄与できたこと。
 自然と"よかったこと"だと思えたから、無意識に言葉が出ていた。
 

(78) ぽぽぽんぽん 2024/09/29(Sun) 11:27:48

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