─あの頃
[同じ年頃の友達がいないわけではないけれど、
ひ弱だった少年はやんちゃな冒険にはついていかずに、
代わりに、本の世界を冒険するのが常だった。
まさか自分の元へ小さな冒険者>>69が
やってくるとは思わなかったけれど。
もちろんそれは嬉しいサプライズで。
自分の庭に興味を持ってくれたことに
気を良くして『図鑑』を見せたり、
自分が得た知識を色々披露したり。
だから、彼女が植物の栽培に興味を持ったら、
大喜びで、「フローラなら、できるよ。」
きっと僕より、きれいな花を咲かせられるよ。
確信めいた強さで、答えたのだった。]