[ため息を一つこぼし、今日得られた情報を頭の中でまとめる。
万が一この通りが危なくなるなら恩義のある宿の人たちを守る手段も考えなくてはならない。
考えるべきことは山積みだった。]
──まずは情報収集ね。
[幼い容姿と家柄、そして強い体。
今でこそ何の変哲もない町娘であり、組織との縁も表立っては切れているものの、どれをとっても最低限動ける立場にある。
ならばすぐに動くべきだろう、とアリシアは決意する。
それも、膨大な客と料理を捌ききってからの話だが。]
……ちょっとだけ休んでもいい?
『さっき休んだばかりだろう、キリキリ働きな』
おかみさんが厳しいよう、死んじゃうよー!
[もしもの時のため、できる手は打っておきたい。だってこの場所が大好きだから。*]