―店を出て……―
[アナログの地図を読むのは苦手だ。
今出てきた店がここでこっちの方角だから……??
くるくる地図を回していると、背中に軽い衝撃を感じる。自分と同じほどの背丈に傷のある顔、身形からしてスリではなさそうだ。
ぶつかったことを詫びようとして、その声に一瞬固まる。]
(AI、ではない…機械音声…?)
[男からの謝罪の言葉に慌ててこちらも謝る。]
こちらこそ、不注意だった。
……怪我をしているのか?
[視線をそらした男の首に傷かあるのを見つけ、思わず反応してしまう。
機械音声は喉の傷のせいだろうか。]
ああ、いや、職業病でね。気を悪くしたならすまない。
[金に困っているような雰囲気ではない。ならば、あえてそのままにしているのだろう。]