ありがとう。楽しい『対話』だったよ
実に惜しいな。この旅が終われば
君とこうしてまた話ができなくなるのは
私の話について来れるやつも
そうそういるわけではないからね
[男は青年にそう伝える。
この機械的な男のどこに心があるかは不明だが、
少なくとも彼の脳髄は青年との対話に満足した様子だった]
……
…………
ああそうだ。これも渡しておこう
[そう告げて、テーブルの端に添えたのは
先程渡した名刺とはまた違うカード。
真っ白な紙面に、1行だけ、連絡先が記載されている
それは男個人の連絡先。
気に入った相手にだけ渡す秘密のカード]