[さて、“ 演者 ”という生命体の特性について少し。
宿主の死亡時の状況にもよるが、“ 演者 ”の知性の度合いは、宿主の知性にほぼそのまま準ずる。
知性と同様に、記憶内容や思考のクセもおおよそ引き継がれる。
このため“ 演者 ”が宿主のフリをすることは容易といっていい(どころか、どうしても宿主の元の精神性に寄りがちになる、ともいえる)
それでも、“ 演者 ”の精神性が何もかも宿主と同じになる、というわけではない。
宿主の元の特性に関わらず、あくまで自らは“ 演者 ”であり宿主そのひとではない、と意識する性質が、程度の差こそあれ“ 演者 ”という種にはある。
それ故に、元来の宿主との差異が表面化することもあるわけだが、それについてはまた別の機会に。]