《 ―――…これは、“ 僕 ”の夢なのか? “ 僕 ”じゃない、僕の夢じゃないのか? 》[宿主の記憶も考え方のクセも有していながら、それでも宿主ならぬ自我の“ 僕 ”。 その自覚がぶり返した時、シェルタンの手は、止まってしまった。 こんなことは初めてではない筈で、それでも、止まってしまった。 暫く俯いてから、シェルタンはまた筆を執り――。 そうしてひとり、夜の帳の星の下、人気のないポストへと足を延ばす。]