― 冬が訪れるまで ―
[鮮烈な歌を聴いた。>>1:*1>>1:*2>>1:*3>>1:*4
見覚えある顔、その唇から零れる音に乗る感情>>2:37を浴びて
結月は呆けたような表情を浮かべた。>>2:14
脳裏に浮かんでいたのは晩春の背中だった。>>1:117
結月は超能力者ではない。>>1:77
故に彼女の抱く思いを読み取れるなんて不可能だ。
しかし綴られた言葉に意思が宿っていることくらいは理解できた。
名前も知らない彼女は歌う。こころを歌う。
いい歌だった。きっと多くの人のこころに届いただろう。
感動を直接伝えに行く人もいるのかもしれない。
結月が彼女の下を訪れることはない。
友人と感想を語り合うだけだ。>>2:15
だって、結月にはどうにも眩しすぎたものだから。
近づこうなんて考えもしなかった。]