この地に穴を掘り国と富を築く「ズィーの女王」、
「夜」ならぬ夢の女王陛下にお仕えする、
この「荼毘葬送オクリビちゃん」――の、
[……思いっきりアイドルネームを名乗ってしまったが、気にしない。それでいい。
かの掴みどころのない「王」に対し、此方の印象を気にすることはない。筈だ。]
正式デビュー前の公演に、お付き合い頂けますか?
[この言葉だけなら間違いなく場違いだったが――。
鞘からカタナをするりと抜く音で、これが「場違いな誘いではない」ことが伝わろうか。
露わにした鋼の刀身ですぐさまに斬りかかる――などという三下めいた動きはせず。
幾らかだけ離れた位置から、カタナの切っ先を「王」の背に向けたところで、女は動きを止めてフットマンを見つめる。*]