[こうして縫合は無事に終わった。
レイルが自らガーゼの上に包帯を巻く姿>>28にハリコは安堵を浮かべたが、それでもまだ彼には点滴と安静が必要そうで>>41。]
いいのよ。あたしはできることをやっただけ。
ミスター・レイルにはあたしこそ、ここまで連れてきてもらえたし――
それに、あなたまで置いて死なせるなんて、できなかったから。
[「まで」の意味をここで語るよりも前に、別の心配事が頭を過る。
今はレイルの容体が安定していそうに見えるが、今後、傷が熱を持ってこないとも限らないのだ。]
念の為に、抗生剤も――
[そう言って棚を改めて探しに行こうとした時、だった。]