星狩りの国-暁の街-

5 【半突発誰歓RP村】映画 ─玉響に“なけ”─


3-A 幸阪結月

― 一月/冬空のベンチ ―

[試験を終えた生徒がぞろぞろと会場を出て行く。
結月もその列に続いた。外に出ると冷たい空気が肌を刺す。]

 ……もしもし、お母さん?

[スマホを耳に押し当てながら、結月は人の波を外れた。
細い隙間を通り抜け、自販機隣のベンチへ腰かける。
大通りへの道から正反対の場所にあるからか、人の通りは少ない。
マフラーへ口元を埋めた。下ろした髪がもふりと乗る。]

 うん……まぁ、自己採点してみないことにはだけど、そこそこ。
 数A覚悟してたけど時間も何とか足りたし。

 うん……うん……大丈夫、歩いて帰るから。
 お母さんこそ冬休み明けでしょ。電話してて平気?

[両足を交互にぶらぶらさせながら会話を続ける。
母の用件が終わったのか、返事をしていた結月の口も閉じた。]

(84) cle 2023/03/09(Thu) 06:51:15

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