[そんな姫野が動揺を何とか抑え、
オファーが来た役について話を聞くと納得する。
姫野にとって亜美歌は“過去の自分”だから。
亜美歌はどんなに努力しても
数学がどうにもならなくて、
姫野は仕事で出席日数が足りず
在籍してもう1度3年生を繰り返した。
かつての後輩と同級生という微妙な気まずさも、
相手もどう接すればいいんだろうという
戸惑いを感じ取ったのも
距離や壁を取っ払おうと
自分からガンガン積極的に話しかけ、
敬語いらないタメ口でいいと言い続け、周囲と打ち解けた姿も全く一緒で笑ってしまったぐらいだ。]