[頷きながらパンの方を受け取る。>>82
パンを潰さないように気をつけねばと、そちらに注意を払っていたせいで誘導先を疑問に思いもしなかった。
あれ、なんでこんな物陰にと過ったときには、]
えっ、えっ
[羊? じゃない、山羊?
相変わらず頭の変化に目が追いつかない。
こちらの動きが完全に止まるのは計算済みか、その瞬間。
ふわっと足先も、身体全体も浮き上がる感覚。
どちらが地面で前か後ろか混乱する。]
うひゃぁ、わぁぁ……!?
[思いっきり変な声が出た。
パンの袋を手放さなかったのを褒めて欲しいくらい。
空いた片手がピギーのふわふわ毛を掴む。
待ってくれることもなく壁を駆け上がる際は舌を噛まないように無意識に口を引き結んでいた。]