[…と、自分の性格と子供という生き物との相性の悪さをなんとなく察してしまった父親に、正義の味方はとっておきのプレゼントを差し出した。
表情自体は変わらないが、大きく目を見開き、
そして瞬く]
…いえ、受け取れません。
あなたにとっても大切なもののはずでしょう
それなのに…
[と、受け取れない旨を伝えるが、
正義の味方はそれを男の手に持たせ、
気になるのなら高いお酒でも飲ませてくれと許しを与える。
手に残された、本物の正義のヒーローの証。
いろんな希望を託されたビジネスマシーンは、
その情報量を飲み込むので精一杯で、
さっそうと去っていく女を、呆然と見送っただろう。]