いらっしゃい、フローラ。
お茶を淹れるからあがっていく?
["ジジ"を継承したのだからやることはたくさんあった。
忙しなく仕事をすることで寂しさを紛らわしていたけれどふと一人になった時に涙が出てくるのは止められないことだった。
その折にタイミングよく来るものだから目元を袖で拭いてから呪術師の家に招いた。
何でも押し売りにきてくれたらしいので減っているハーブを貰ったり花を選んでフローラの髪に挿してみたりとした。
『今日は肌が綺麗になる薬草茶だよ』
って嘘か真かわかりにくい呪いを披露して――家の外を覘くときは赤熊の毛皮を被っているけれど、家の中では脱いでしまうからそこでは継承前と同じ感じでいたはず]
……ありがとう。
[ちゃんとお礼が言えるくらいには落ち込まずに済んでいるのは気遣ってくれる人がいるからか**]