[それから、]
そう、なんですか
[体が弱いという奥さんの話に、やや目を伏せた。
綺麗な空気。なら、この人は都心からは少し離れた場所に住むのかな。
都心の真ん中に聳えるタワーマンションが行先の自分とは、全く違うのかもしれない。]
じゃあホワイト・マーブル行きは
大切で、良い事なんですね
[自分の笑みに苦いものが混じる。良い事だな思うと同時、どうしようもなく羨ましく思うのだ。
身体の弱い奥さんが?違う。
依存じゃなくて、支え合える人が居ると言う事。
この人達にとって、ホワイト・マーブルは良い場所であると言う事。
それと、奥さんにとっては、地球も良い場所に数えられると言う事。
私はどれも持っていない。だから、曖昧に笑う事しかできなくて。
だから、続いた彼の言葉に息が詰まった。>>64]