[──数秒、睨み合ったか。
フットマンは、彼女が動いたら、と思っていたけれど。
フットマンは不変的なものが大嫌い。睨み合って膠着状態だなんて、もっての外。
オクリビが非常に我慢強かったら、早々に焦れたフットマンが先に動いただろう。
指をかけていた愛銃のグリップを握り、ホルスターから引き抜きながらセーフティを解除する。そのまま素早く銃口をオクリビの方へ向けると、その時にはもう、フットマンは引き金を引いていた。
もっとも、臨戦体制であったであろう機械の器に入った彼女に、その銃弾が当たったかどうか──。*]