[しかし一つの名前を聞くと、
男はうげっという顔になる>>79]
…う、カサブランカ…
あそこは頼りたくないんだよ…
だってあそこ、女ばっかじゃねーか…
それも身寄りがねーやつばっかだから、
この見た目で行くとすげーやりづれえんだよ…
[男は葬儀社に苦手意識を持っていた。>>13>>16
行き場のない女性ばかりが務めているということ自体、スラムの奈落で苦労をし続けた育ての親を思い出させるし、
そうでなくても身寄りのない人間の集合体と言うのには、日陰者の自分と被るところがあって、後ろめたいことで利用しがたいのだ。
あとついでに、体が少年型アンドロイドになったせいで、死体を持っていくと想定しているより可哀想がられるところがあるというか…だからそもそもあそこは近づくとむず痒くなって、行くこともはばかられてしまうのだ]